仕組みで覚えるスケール | 2. メジャースケールの仕組みと覚え方のコツ

メジャースケールは一般的に「明るい」と形容されることの多いスケールです。
ポップスやロックなど現代の音楽では特に多く使われているので耳馴染みのあるスケールのはずです。

あらゆるスケールを覚えていくための基礎になるため、仕組みと一緒に覚えていきましょう。

メジャースケールとは?

日本名:長音階

「C D E F G A B C」と音を並べるとメジャースケールになります。
この「C D E F G A B C」がどのような音程関係で並んでいるか分析してみましょう。

メジャースケールの音程関係

下の図の「長」と書かれた部分は長2度、「短」と書かれた部分は短2度を表します。
短2度の部分は音と音の間をくの字の記号で書いています。

このようにメジャースケールは隣り合った音同士は必ず長2度もしくは短2度で並んでいます。
覚えるときは「長長長長長」と呪文のように覚えることもできます。

また、メジャースケール、マイナースケールのどちらもCから始まったら1オクターブ上のCで終わり、Dで始まったら1オクターブ上のDで終わるように、必ず始まりと終わりの音は1オクターブの関係にあります。

では主音がC以外で始まるメジャースケールを見てみましょう。

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C以外からはじまるメジャースケール(シャープ編)

長2度、短2度の並び順さえ覚えていれば、主音が何の音でもメジャースケールを作ることができます。
実際にいくつか作ってみましょう。

Gからはじまるメジャースケール

Gから始まるメジャースケールを作るにはまずは順番に「G A B C D E F G」と音を並べます。

次にそれぞれの音同士の音程を見てみましょう。


メジャースケールの音程の並び順は
「長長長長長
でしたが、Gから書き始めたスケールは
「長長長長長」
となりました。

この音程の並び順ではメジャースケールではないため音を1箇所だけ変化させます。

第vii音のFを半音上げたことにより音程の並び順は
「長長長長長
となり、Gメジャースケールが完成しました。

Gメジャースケールでは常にFがF#になるため、調号は#が1つついた状態になります。

Dからはじまるメジャースケール

Dから始まるメジャースケールもまずは順番に「D E F G A B C D」と音を並べます。

Dから臨時記号、調号を書かずに音を並べた場合の音程の並び順は
「長長長長長」
となりました。

このままではメジャースケールと並び順が違うため、音を2箇所だけ変化させます。

第iii音のF第vii音のCを半音上げたことにより音程の並び順は
「長長長長長
となり、Dメジャースケールが完成しました。

こちらもGメジャースケールと同じく、臨時記号をつけたF、Dの部分は常に音がシャープするので調号として表記します。

メジャースケールの覚え方(シャープ編)

調号にシャープが付くメジャースケールの覚え方にはコツがあります。
主音と調号の数の関係を一覧でみてみましょう

調号 調号の数 主音
1 G
2 D
3 A
4 E
5 B
6 F#
7 C#

上の表から次の法則が導き出せます。

調号にシャープが付くメジャースケールの主音は、調号が1つ増えるごとに完全5度上がる。

新しく調号に付くシャープは、主音の半音下の音に付きます。

Gメジャースケールの場合

Dメジャースケールの場合
(GメジャースケールでついたF#の調号は保持されます。)

Aメジャースケールの場合
(G、Dメジャースケールでついたそれぞれの調号は保持されます。)

C以外からはじまるメジャースケール(フラット編)

今度は調号にフラットが付くメジャースケールを見ていきましょう。

Fからはじまるメジャースケール

各音の音程の並びは「長長長長長」となり、メジャースケールとは音程の並びが違うため1箇所だけ音を変化させます。

第iv音のBをBbに半音下げたことにより音程の並びは
「長長長長長
となり、Fメジャースケールが完成しました。

Fメジャースケールの調号はBの位置にbを書きます。

Bbからはじまるメジャースケール

Bbからはじまるスケールなので、まずはBbから順番に2度ずつ音を並べていきます。

各音の音程の並びは「長長長長長」となり、これもメジャースケールとは音程の並びが違うため1箇所だけ音を変化させます。

第iv音のEをEbに半音下げたことにより音程の並びは
「長長長長長
となり、Fメジャースケールが完成しました。

主音のBb、EからEbに変化させた位置に調号を書きます。

メジャースケールの覚え方(フラット編)

調号にフラットが付くメジャースケールにも覚え方のコツがあります。

主音と調号の数の関係を一覧でみてみましょう

調号 調号の数 主音
1 F
2 Bb
3 Eb
4 Ab
5 Db
6 Gb
7 Cb

上の表からシャープ系とは逆の法則が導き出せます。

調号にフラットが付くメジャースケールの主音は、調号が1つ増えるごとに完全5度下がる。
(もしくは完全4度ずつ上がる。)

新しく調号に付くフラットは、必ず主音の完全5度下の音に付きます。

Fメジャースケール

Bbメジャースケール
(FメジャースケールでついたBbの調号は保持されます。)

Ebメジャースケール
(F、Bbメジャースケールでついたそれぞれの調号は保持されます。)

メジャースケールのまとめ

メジャースケールはスケールの基本となる重要なスケールです。
クラシック、ポップス、ジャズ、どの音楽を演奏、作曲するにしても必ず覚えることをおすすめします。

シャープ系、フラット系それぞれ数は多いですが、基本的に音の並び方は全て同じです。
もう一度おさらいすると、スケールの要点は次のとおりです。

・主音から順番に並ぶ2度は「長長長長長」である。
・調号にシャープが付くメジャースケールは調号が1つ増えるごとに主音が完全5度ずつ上がる。
・調号にフラットが付くメジャースケールは調号が1つ増えるごとに主音が完全5度ずつ下がる。

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3. マイナースケールの仕組みと覚え方のコツ

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