初心者でもわかるコード | 8. #9、♭9などのオルタードコード

ここまでのチャプターでテンションを含む基本的なコードを紹介してきました。
音程が#や♭が付いて名前が変化したように、コードを構成する特定の音は#や♭が付くとコードネームが変化します。
#やbで変化したコードは「オルタードコード」といいます。

これから説明する内容を理解するためにはチャプター7までの内容を知っている必要があります。
まだ読み終えていない場合は一旦、チャプラー7まで読みすすめることをおすすめします。

オルタードコードとは

オルタードコードのオルタードとは英語で「Altered:変更された」の意味を持つ単語です。
Chord alteration(コード オルタレーション):コード変更といった言い方もしますが、Altered chordの方がより一般的です。

オルタードコードはコード構成音の一部を半音高く、もしくは半音低くしたコードです。
オルタード:変更されたと言っていいる以上、元のコードの特性をある程度保持しています。

オルタードコードで変化させることができるコードトーンは次の4つです。
(3rdや7thはマイナー、メジャー、ドミナントセブンスなど、基本となるコードを決定づけるコードトーンのため、改めてオルタードトーンとしては扱いません。)

  • 5th
  • 9th
  • 11th
  • 13th

それでは順番に見ていきましょう。

ポイント
コードネームのルートを表すC#, Dbとオルタードしたコードトーンの#, bを混同してしまわないように、C#+5やDb-5といった書き方をします。
他にはC#( #5 )といった括弧の中にオルタードした部分を書く方法もあります。
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#5, b5

セブンスコードのチャプターでm7-5(マイナーセブン・フラットファイブ)を紹介しました。
コードネームの通り、これは5thが完全5度から減5度に変化したコードです。
また、オーギュメントコードがそうであったように、他のコードでも5thは増5度に変化することがあります。

このコードはC7#5(Cドミナントセブン・シャープファイブ)です。
通常のC7と比べて5thが半音上がっていることがわかります。

Cm7b5があるように、Cm7#5は存在するのでしょうか?
コードネームとして記述することは可能ですが、実際のコードの響きはAb add9/Cと全く同じです。
Ab add9/Cではなく、あくまでもCm7の5thが半音上がったコードとして意図的に扱いたい場合に使用されるため、このような記述が可能となっています。

これは5thのG#が※異名同音(エンハーモニック)でAbとして書かれたときに、構成音がAb add9と一致するためです。

ポイント
※異名同音とは音名は違うが実際に鳴る音は同じものを意味します。
C#とDb, F#とGbなど。

#9, b9

9thは#9, b9のどちらにも変化する可能性があります。
読み方はthをとって「シャープナイン」、「フラットナイン」と呼ばれることが多いです。

7thコード以上のときに9thが#, bのどちらかに変化する場合が多いです。
Cをルートとしたコードを例に見てみましょう。

メジャーナインからのオルタード

メジャーナインス・コード9thが半音上がると#9、半音下がるとb9に変化しています。
コードの響きとしてはどちらも非常に濁った響きですが、Cmaj7b9の方がより不協和です。
これはルートと9thに短9度という極めて不協和な音程を含んでいるためです。

マイナーナインからのオルタード

マイナーナインスコードの9thを半音あげたものにコードネームを付けていません。
これは#9とm3rd(マイナー・サード:ルートから数えて短3度の3rd)が異名同音になるためです。
マイナーナインスコードを構成するm3rdの音程は#9よりもコードを決定づける大きな要素のため、結果的に#9もm3rdとして聴こえてしまします。

ドミナントセブンス・コードのオルタード

使用頻度が最も高いナインスのオルタレーションはやはりドミナントセブンス・コードがベースになっている場合です。
ジャズではもちろんのこと、クラシックやロック、ポップスでも使われています。
響き自体は複雑ですがベースとなっているドミナントセブンスコードの特徴が引き継がれた響きとなっています。

#11th

#11thはルートから増4度の音程を持つテンションです。
#11thはメジャーコード、ドミナントセブンス・コードでよく使われます。
11thは#11のみを覚えておけば問題ありません。
なぜなら、b11は異名同音でmajor 3rdと同じになるからです。

メジャーコードでb11thが使えないことはわかりましたが、マイナーコードでb11thは使えないのでしょうか?
次の楽譜を見てください。

これはCm7に減4度のb11thを付加したコードです。
一見するとありそうなコードですが、響き自体はC7#9と全く同じです。

左はb11thとして書いています。
中央はb11thを異名同音のmajor 3rdに書きかえています。
そして右はb3rdを#9thに書きかえて、major 3rdと位置を入れ替えてわかりやすいようにしています。
こうしてみるとC7#9と実質同じ響きになっていることがわかります。

より簡潔にコードを表現するために多くの場合においてb11thはmaj3rdとして扱われるべきです。
そのため、演奏用のコード譜でもまず見かけることはありません。

b13th

b13thはルートから短6度の音程を持つテンションです。
#13thは異名同音でドミナント7thと同じになるため使うことはありません。

b13thはドミナントセブンス・コード、マイナーコードともに使われます。

構成音だけ見ればAb maj7/Cと一致していますが、あくまでもCm7コードにb13thが付加されたコードとして機能します。

ドミナントセブンス・コードのb13には要注意

はじめに紹介した通り、ドミナントセブンス・コードにb13を使うことはよくあります。
コードネームの通り演奏すると上の楽譜のようになります。
しかし、実際にはこのコードが書かれている場合は5thを省いて次のように演奏されることが多いです。

細かい理論は長くなるので省きますが、特別な意図がなければポップス、ジャズの曲では○7b13、○7-13thと書かれていたら5thを省いて演奏すると綺麗にアンサンブルすることが多いです。

#5とb5は同居しない

例えば、5thやテンションをオルタレーションさせてb5th, #5thにした場合、一見その両方を含んだC7#5 b5といったコードを書けそうですが、まずそういった書き方をすることはありません。

記譜すること自体は可能ですが、C7#5 #11と書いてしまった方が読みやすいですし、コードの並びからどんなスケールが使えるか想像しやすいです。

これは9thにも言えることです。
9thはb9th, #9thの両方が存在しますが、その両方を同時に使って記譜することはまずありません。

複雑なテンションを含むコードはなるべく簡潔に書くべきであり、コードからスケールを想像しやすい方が特にジャズなどのアドリブ演奏を重視するジャンルなどで有利です。

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