マイナースケールの項目で出てきた単語に同主短調、平行調がありました。
今回あたらしく紹介する単語と合わせて、それぞれの意味をもう一度整理していきましょう。
キー(調)とスケール(音階)
よく、キーとスケールを混同してしまうことがありますが、2つには明確な違いがあります。
具体例で見てみましょう。
Cメジャースケール
- Cの部分がキー(調)
- メジャースケールの部分がスケール(音階)
キーはスケールの始まりの音を表します。
例えばキーがCのものはCから始まりますし、キーがGのものはGからスケールが始まります。
スケールはその名の通り、スケールの種類を表します。
スケールの種類には前回紹介したようにメジャーやマイナー、ハーモニックマイナーなどがあります。
キーとスケールがセットになって呼ばれることで「どの音から始まる、どんな種類の音の並びか」が決定されます。
主調(しゅちょう)
主調とはスケールの関係性を比較する際の基本となるスケールのことです。
例えばCメジャースケールの平行調はAマイナースケール、Cメジャースケールの同主調はCマイナースケールといったときのCメジャースケールが主調です。
スケールの関係性
メジャースケール、マイナースケール問わず、それぞれのスケール(CメジャースケールとGメジャースケールなど)には繋がりがあります。
その繋がりが強い調のことを近親調(きんしんちょう)といいます。
近親調にはどんな種類があるのでしょうか?
これから4種類の近親調を紹介します。
同主調(どうしゅちょう)
同主調とは主音が同じ、メジャースケール、マイナースケールです。
マイナースケールにはナチュラル、ハーモニック、メロディックのすべてが含まれます。
例1
- Cメジャースケールの同主調はCマイナースケール
- Cマイナースケールの同主調はCメジャースケール
例2
- Gメジャースケールの同主調はGマイナースケール
- Gマイナースケールの同主調はGメジャースケール
それぞれ、主音はそのままでメジャー、マイナーが対になる関係性があります。
単純に「Cメジャースケールの同主調」でCマイナースケールを指すこともありますが、より正確に「Cメジャースケールの同主短調」と言うこともあります。
同様に、「Cマイナースケールの同主長調」でCメジャースケールを指すこともあります。
同主調という単語自体は対になるメジャーもしくはマイナースケールを指す言葉なので同種長調、同主短調と言う必要はありません。
しかし、より正確にはっきりと説明したいときにはこれらの単語を使わることがあります。
平行調(へいこうちょう)
平行調とは調号が同じ、メジャースケール、マイナースケールです。
メジャースケールの平行調であるマイナースケールは主音がメジャースケールの短3度下になります。
逆にマイナースケールの平行調であるメジャースケールは主音がマイナースケールの短3度上になります。
例1
- Cメジャースケールの平行調はAマイナースケール
- Aマイナースケールの平行調はCメジャースケール
例2
- Gメジャースケールの平行調はEマイナースケール
- Eマイナースケールの平行調はGメジャースケール
平行調は調号が同じメジャースケールとマイナースケールの関係性を表しているため、スケールを探す、覚える際に非常に役立ちます。
属調(ぞくちょう)
属調とは主調の属音(第v音)が主音のスケールです。
属調は主調と同じ種類のスケールになります。
例えば、メジャースケールの属調はメジャースケール、マイナースケールの属調はマイナースケールです。
例1
- Cメジャースケールの属調はGメジャースケール
例2
- Aマイナースケールの属調はEマイナースケール
下属調(かぞくちょう)
下属調とは主調の下属音(第iv音)が主音のスケールです。
下属調は主調と同じ種類のスケールになります。
例えば、メジャースケールの下属調はメジャースケール、マイナースケールの下属調はマイナースケールです。
例1
- Cメジャースケールの下属調はFメジャースケール
例2
- Aマイナースケールの下属調はDマイナースケール
まとめ
以上が調の関係を覚える上で重要な4種類でした。
- 同主調
- 平行調
- 属調
- 下属調
曲中で転調(ある調から別の調へ変わること)した場合に、それらの調はどのような関係なのか知るためにも役立ちます。また、ソナタなど複数楽章を持つ曲構成では、第1楽章、第2楽章とそれぞれの関係性を紐解くことができます。