日本名では和音、ポップスやジャズでは一般的にコードと呼ばれるもの。
それはピアノ、ギターなどの伴奏やアドリブをする場合に避けては通れない存在です。
もちろん音符が書いてある楽譜さえあれば音楽を演奏することはできます。
しかし、ときとしてコードとリズム、もしくはコードだけが書かれた紙を見て演奏しなくてはいけないこともあります。
コードの構造とコードネームをしっかりとリンクさせて覚えることでコードという存在自体は実はそこまで複雑でないことがわかるはずです。
コードを理解すると次のようなメリットがあります。
- コード譜を見ただけで伴奏ができるようになる
- アドリブ演奏をする際のヒントになる
- 楽譜が早く読めるようになる
- 音の響きを意識できるようになる
演奏、作曲、編曲のどの側面から見ても大きなメリットがあります。
ぜひコードについて理解していきましょう!
※このレッスンでは音程について理解していることを前提に説明をします。
音程レッスンを読み終わっていない方はこちらから、おさらいすることをおすすめします。
音程レッスン一覧
コードは少なくとも3つの音からできている
音程を作るためには2つの音が必要でした。
コードを作るためには少なくとも3つの音が必要になります。
コードを作るためには適当な3つの音ではなく、ある一定の法則にしたがって音を並べなければなりません。
レッスン1回目では基本となる3つの音で作ることができるコードを紹介します。
コードはルートから3度ずつ重ねてできている
コードを作るときは基本的に音を3度ずつ重ねていきます。
まずはCの音から3度ずつ音を2つ並べてみました。
三和音を構成する音の名前
3つの音からできているコードを和名では三和音と言います。
英語では3つ(Tri)の音からできているのでTriad(とらいあど)と言います。
Triadとは言わずにChord(こーど)と言われることも多いです。
これはCメジャーというコードです。
このコードを作っているC, E, Gの3つの音を構成音と言います。
3つの構成音それぞれにも名前がついています。
- 1番下のC
root(ルート) | 日本名:根音(こんおん)
コードを作る一番基礎となる音です。 - 下から2番目のE
3rd(さーど) | 日本名:第3音(だいさんおん)
ルートから数えて3度の音なので、3rdと呼ばれます。 - 下から3番目のG
5th(ふぃふす) | 日本名:第5音(だいごおん)
ルートから数えて5度の音なので、5thと呼ばれます。
例えばこれがFメジャーコーでも3つの構成音の呼び方は変わりません。
- 1番下のF
root - 下から2番目のA
3rd - 下から3番目のC
5th
大切なことは、下から順番に3度ずつ上へ積み重ねた音の順番に対してroot, 3rd, 5thといった名前がついているということです。
メジャーコード
英名:major triad
和名:長三和音
メジャーコードをコードネームとして書くときはrootとなる音を書くだけです。
構成音はrootから数えて長3度と完全5度の音程で作られます。
明るい、広がりのある響きがします。
- CとEの長3度
- CとGの完全5度
このように2つの音程によってメジャーコードは作られています。
いくつか別のメジャーコードを作ってみましょう。
Fメジャー
- FとAの長3度
- FとCの完全5度
こちらもコードを構成する音程を分解するとCメジャーコードと同じになります。
Gメジャー
- GとBの長3度
- GとDの完全5度
このようにメジャーコードは必ずrootから数えて長3度、完全5度の音程で作られます。
マイナーコード
英名:minor triad
和名:短三和音
マイナーコードはroot音の横に小文字のmを書きます。
構成音はrootから数えて短3度と完全5度の音程で作られます。
メジャーコードとは対照的に暗い響きがします。
- CとEbの短3度
- CとGの完全5度
この2つの音程によってマイナーコードが作られています。
いくつか別のマイナーコードを作ってみましょう。
Dマイナー
- DとFの短3度
- DとAの完全5度
Aマイナー
- AとCの短3度
- AとEの完全5度
オーギュメントコード
英名:augumented triad
和名:増三和音
オーギュメントコードはrootの音の横に小文字でaugを書きます。
このように+で書かれることもあります
オーギュメントコードは、メジャーコードの5度が増加、拡張されたコードです。
つまり、メジャーコードの5thが完全5度から増5度へと変化したコードです。
メジャーコードとはうってかわり、不安定な響きがします。
- CとEの長3度
- CとG#の増5度
この2つの音程によってオーギュメントコードが作られています。
いくつか別のオーギュメントコードを作ってみましょう。
Dオーギュメント
- DとF#の長3度
- DとA#の増5度
Fオーギュメント
- FとAの長3度
- FとC#の増5度
ディミニッシュコード
英名:diminished triad
英別名:minor flatted 5th
和名:減三和音
ディミニッシュコードの書き方は色々あり、どれもディミニッシュコードを意味します。
- root音の横に小文字でdimと書き表すタイプ
- 小文字のmを書いてその上に-5と書くタイプ
- Cの右上に小さな丸を書くタイプ
ディミニッシュコードは、マイナーコードの5thをフラット(半音下げ)したコードです。
マイナーコードよりも暗い響きがします。
- CとEbの短3度
- CとGbの減5度
この2つの音程によってディミニッシュコードが作られています。
いくつか別のディミニッシュコードを作ってみましょう。
Dディミニッシュ
- DとFの短3度
- DとAbの減5度
Gディミニッシュ
- GとBbの短3度
- GとDbの減5度
各三和音のまとめ
まずは基本的な4種類の三和音を紹介しました。
もう一度それぞれを比較してみましょう。
コードネーム | C | Cm | Caug | Cdim |
---|---|---|---|---|
rootから見た 3rdの音程 |
長3度 | 短3度 | 長3度 | 短3度 |
rootから見た 5thの音程 |
完全5度 | 完全5度 | 増5度 | 減5度 |
rootはすべて同じなので省略しています。
3rdと5thの音程の違いこれら4つのコードを表現できます。
どれも非常に良く出てくるコードなので必ず覚えましょう。
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2. おしゃれコードの基本、セブンスコード(メジャー系)