前回までは9th, 11thのテンションコードを説明しました。
テンションコードには他にも13thが存在します。
13thは6thと混同しやすいコードのため、それら2つの違いと使われ方を説明します。
13th(サーティーンス)
13thはルートから数えて長13度の音程です。
複音程が分かりづらい場合はルートから数えて長6度と1オクターブ上と覚えましょう。
13thは慣例的にメジャー系コードで使われることが多いです。
13thを使ってコード表記をすると次のようになります。
11thまでのテンションコードと同じように、コードネームに○maj13や、○m13, ○13と書いた場合には13thまでのすべてのテンションを含む和音を意味します。
add 13th
他のaddを使ったテンションコードとは違い、add 13thは基本的に7thコード以上のときに付加されます。
7thなどの4和音ではなく、トライアド系(3和音)のときに長13度(長6度)の音をコードに付加したい場合は13thではなく、6thを使います。
6th(シックス)
さて、9th, 11th, 13thとテンションコードを順番に説明しました。
最後は少々扱い方にクセがある6thを説明します。
6thはルートから数えて長6度の音程です。
6thは4和音以上のコードでは使用されず、メジャートライアド、マイナートライアドで使用されます。
6thを使ってコード表記をすると次のようになります。
どちらもそれぞれのトライアドに長6度のAが付加されていることがわかります。
※ 曲中での6thコードの使い方にはメジャー6th、マイナー6thそれぞれに特徴がありますが、こちらはコード進行に関する理論的な説明になるため割愛します。
6thと13thの違い
6thと13thそれぞれで説明したように、これら2つにははっきりとした使い分けがあります。
- 6thはトライアドコード(3和音)で使用する
- 13thはセブンスコード(4和音)以上で使用する
理由とても単純です。
コードは基本的に3度音程の堆積(たいせき)によってできています。
そのため、13thとは本来、7th, 9th, 11thと音を積み重ねていった上に出現する音だからです。
Cmaj13thコードを見てみましょう。
ではC6コードを見てみましょう。
コードは3度音程の堆積のよってできているルールからすると、5thの次に長2度で6thが出現しているため6thコードは少し特殊なことがわかります。
例えばC6の6thのAを1オクターブ上げて配置したとします。
一見、13thのように見えなくもないですがコードとは何の音が含まれているかによって決定されるため、配置を変えたところで7th以上の音が含まれていない上の例は6thコードであることに変わりはありません。
まとめ
ここまでがテンションコードの基本的な説明になります。
テンションコードを知ると使えるコードの幅が一気に広がります。
ただし、テンションコードは響きが複雑な分むやみに使うと音が濁りやすかったり、キー(調)が曖昧になりやすい側面もあります。
これらは演奏する楽器やコード進行によってそれぞれのテンションが持つ影響力が変化しやすいため、注意深く音の変化に耳を傾けなければいけません。
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7. sus4(サスフォー)とsus2(サスツー)