音を出して演奏する部分が音符で、音を出さない部分を指定する記号は休符です。
音楽は常に音がなっているわけではなく、音をださない部分を作ることで音のある部分とメリハリをつけています。そのためにも休符はなくてはならない存在です。
音符に4分音符、8分音符とあったように、休符にも4分休符、8分休符という名称がついています。休符の長さは音符の4分、8分といった長さと一致します。
休符の種類一覧
これが一般的によく使われる休符の一覧です。
それぞれに「全」や「2」と省略して書きましたが実際には「全休符」、「2分休符」といったように数字のあとに「休符」がつきます。
全休符と2分休符が似ていますが、全休符は横棒の下に四角形があるのに対し、2分休符は横棒の上に四角形があります。
4分休符は他にはない独特の形なので覚えやすいですね。
8分休符、16分休符、32分休符と数字が倍になるにつれ、斜め線の上から出ている髭のような線が1本ずつ増えていきます。この線を更に増やしていけば64分休符、128分休符などを表すことができます。
それでは実際の楽譜ではどのように書かれるか見てみましょう。
全休符と2分休符
全休符は全音符と同じ長さなので1小節まるごと休みを表現できます。
2分休符は2分音符と同じ長さ分の休みです。4/4拍子で1小節休むためには2分休符2つで表現できますが、見た目をスッキリさせ分かりやすくするために普通は全休符を使います。
4分休符と8分休符
4分休符は4分音符と同じ長さなので、4分休符+4分音符+2分休符で1小節ピッタリになります。 8分休符も同じく8分休符+8分音符+4分休符+2分休符で1小節ピッタリになります。
16分休符と32分休符
さて、ここまで来るとなんとなく、ある法則に気がついたかもしれません。
休符はなるべくまとめて書き、見た目でもリズムが感じられるようにします。
全てを細かい休符で書いてしまうのではなく、ある程度のかたまりで2分休符や4分休符などを使いシンプルに書きます。
※これとは別にリズムを感じられるように細かく4分休符などで書く場合は拍頭ごとに休符を書くルールがあります。このルールは拍子を理解してからのほうがわかりやすいのでここでは割愛します。
全休符、小節休符、長休符の違い
各休符の使われ方や長さがわかったところで、もう2つ特殊な休符を紹介します。
形は全休符と同じですが書く場所によっては小節休符と呼ばれます。
この楽譜は7/4拍子で1小節に4分音符が7個入ります。
1小節目に注目してください。全休符は4分音符4つ分の長さなので、本来ならこの小節にはあと4分音符3つ分の長さの休符が必要です。
ですが、小節の中央に全休符を書くことで小節休符にグレードアップします。
小節休符はどんな拍子でも、この記号一つで小節まるごと休みにできます。
2小節目を見てみましょう。こちらは全休符が楽譜の左側に書いてあります。加えて4分休符、2分休符と続き、拍子の分だけ休符が書かれています。
全休符とは本来、小節の左側に書かれているときに呼ばれる名称で、小節の中央に書かれた小節休符とは形が一緒でも機能が違います。
3小節目に書かれた横棒と5の数字は、5小節休みという意味で、長休符といいます。ピアノソロの曲ではあまりでてきませんが、吹奏楽やバンドのパート譜などでは複数の小節に渡って休みが続くことがあるため、このような書き方をします。分解してみると下の楽譜と同じ意味になります。
休符の組み合わせ例
実際の楽譜ではこのように複数の音符と休符が入り混じっています。
青色の棒で描いた部分が実際に演奏し音が出る部分です。それ以外の場所は音を出さず休みます。
音を出す、音を出さないのオンオフを表現するための楽譜の基本的な記号です。種類が多く見えますが、基本的どれも4分音符の何倍長い、もしくは短いといった考え方をするとシンプルで分かりやすくなります。
次のレッスンへ進む
8. 付点音符、休符と複付点