この項目はまだ説明していない言葉が数多く出てきますので、最初はサラッと目を通す程度に読んで下さい。
「6. 音の長さの基本」まで読み進めてからもう一度読むと、より意味を理解しやすくなります。
タイとスラーは一見同じように見える記号なので最初は混同しがちです。
ですが、それぞれ機能と役割が大きく異なるので違います。
いくつかのポイントをおさえればかんたんに見分けをつけることができます。
タイとスラーの機能の違い
- タイは複数の音をつなげて演奏するための記号
- スラーは複数の音を滑らかに演奏するための記号
タイのつなげて演奏するということは、音と音の間を一切あけずに演奏するということです。
こちらは楽譜で見たほうがわかりやすいです。
- 1小節目はタイを使用せず書かれています。
- 2小節目はタイを使用して書かれています。
- 1小節目と2小節目を演奏すると全く同じ音、リズムになります。
これが、タイで音を繋げた結果です。
スラーの滑らかに演奏するということは、音と音の間をなるべくあけないように(つながっているかのように)演奏するということです。なので、実際には音と音の間は途切れます。
見分け方1 - 3つ以上の音にまたがっている線は絶対にスラー
3つ以上の音にまたがっている=3つ以上の音を1つの線でまとめているものは絶対にスラーです!
タイは複数の音を1つの線で繋げることができません。
- 1小節目 - スラー : 同じ音を滑らかに演奏します
- 2小節目 - タイ : 複数の同じ音を一つの音として演奏します
- 3小節目 - 2小節目をタイを使用せず書いた結果です
見分け方2 - 隣り合う同じ音が繋がっている場合はタイ
- 隣り合う同じ音が線でつながれている場合はタイです。
- タイは小節をまたぐこともできます。
- 先程の説明のとおり3つ以上の音をつなぐことはできないので、最後の音のかたまりはスラーとなります。
※実際にスラーをこのようにつけると楽譜として美しないのですが説明のためあえてこのような記譜をしています。
異名同音(音の名前は違っても、実際になるのは同じ音:G#とA♭など)が線でつながれている場合は5線譜上での見た目の音の位置は異なっていても、演奏上は同じ音になるためタイとして扱われます。
見分け方3 - 同じ音でも注意!メゾ・スタッカート
上ふたつの見分け方を踏まえてみると、この線はタイと言えそうですが実は違います!
同じ音が隣り同士で繋がっていても、音符にスタッカート(音を短く切る指示をするために、音符の真下もしくは真上ににつけられる小さな点)が付いている場合はメゾ・スタッカートという奏法になります。
メゾ・スタッカートはスラーでつながれたスタッカートの付いている音を3/4程度の音の長さで柔らかく切って演奏するという意味です。
同じ音でつながれていてもタイとは違い音をきって演奏するため、1小節目は2小節目のようにはなりません。
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1. 音名