
好きなことをして食べて行きたい。
ただそれだけなのに、好きなことが音楽だった場合に具体的で現実的な方法はあまり身近で教えてくれる人がいません。
それもそのはず。芸術大学(音大)や専門学校を卒業した人でさえ、純粋に音楽だけで生活できている人は半分もいないと言われています。
そんな、一見ハードモードすぎる職業で食べていく方法を作曲家の視点で紹介します。
誰か、何かに曲を提供する
作曲家といっても様々な種類があります。
わかりやすくイメージがつきやすいものだけでも以下のものが考えられます。
- アーティストへの楽曲提供
- 劇伴作家(映画、ドラマ、アニメ)
- ゲーム音楽の作曲家
アーティストへの楽曲提供
メジャー、インディーズ問わず歌うことに専念し、作曲は外注といったアーティストは数多くいます。
そういったアーティストの作曲を行うことを仕事とするスタイルです。
では、どうやったらアーティストの作曲をさせてもらえるのでしょうか?
一番早いのは、音楽制作事務所専属の作曲家になることです。
アーティストの楽曲制作において、どの作曲家を起用するかは基本的に「直接指名」か「コンペ」です。
通常、自分自身が有名な作曲家でない限りアーティストもしくはレコード会社から指名されることは無いです。
また、そういったコンペ自体が非公開であることが多いため、そもそも存在を知る機会がありません。
音楽事務所に所属していれば事務所を通してアーティストの曲を書くことが可能になります。
(事務所に入ってもコンペ形式で選考が行われることが多々あります。)
まとめると、
- 音楽事務所へデモテープを送る
- 音楽事務所へ所属する
- アーティストへ楽曲提供を行う
このような流れになります。
(各項目、サラッと書いてありますがなかなかの難易度があります。)
劇伴作家(映画、TVドラマ、アニメ)
劇伴とは、いわゆるBGMのことです。
映画、ドラマ、アニメにはそれぞれ必ずBGMが存在します。
日々多くの映像コンテンツが作られているため、今後も需要が尽きることは無いジャンルです。
歌ものが主体のアーティスト楽曲とは違ったテクニックや感性が必要となります。
そのため技術と経験の両方が高いレベルで求められます。
そういった映像コンテンツの仕事を受けるにはどうしたらいいのでしょうか?
こちらもアーティストへの楽曲提供と同じで、音楽事務所に所属することが一番手っ取り早いです。
しかしながら、事務所によっては映像コンテンツの楽曲制作請負実績があまり無いところもあります。
劇伴作家になりたいのであれば映像コンテンツを制作している会社(例えば、アニプレックスや、角川エンタテイメント、バンダイビジュアルなど)とつながりのある事務所に所属したほうが良いです。
担当したアニメがヒットした場合には知名度も上がるため、その後フリーランスとして活動もしやすくなります。
最初からフリーランスで活動をしたい場合は自主制作映画やアニメの音楽を担当し、少しづつ実績を積む必要があります。
もしくは、自身のインストゥルメンタル楽曲をネットで公開し、注目してもらう方法もあります。
こちらは制作スキルと戦略的なセルフプロデューススキルが必要ですが、成功すれば一番早くフリーとして活動できるレベルになります。(運も必要です。)
まとめると、
- 映像制作会社とつながりがある音楽事務所に所属する
- 自主制作映画など、小規模作品から関わり実績を積んでフリーランスとして活動する
- インストが作れる作曲家としてセルフプロデュースをし注目してもらう
なんだか最後の1項目が現実的じゃなさそうに見えますが、実はこの方法で成功しているひとも結構います。
映像監督が欲しいと思った音楽性と自分の音楽性がマッチしなかった場合は永遠に仕事になりませんので、運要素も少しあります。
ゲーム音楽の作曲家
一見、映画やアニメと似ているようですがゲーム音楽の作曲はかなり特殊です。
ゲームは映画やアニメとは違い遊び方によって効果音や展開の仕方が異なります。
そのため映像作品のように尺にピッタリと合わせるのとは違った方法で制作する必要があります。
1からその技術を一人で習得するのはかなり難しいためゲーム会社の作曲家として身に付けるのが現実的です。
新卒、中途で作曲家を募集している会社はそこまで多くないため狙いは定めやすいです。
また、作曲家(サウンドクリエイター)募集中と書いていなくても実は募集しているところもあります。
ゲーム会社以外にもゲーム音楽専門の制作会社があるので、そちらを狙うのも手です。
どちらにせよ音楽が好きなだけでなく、ゲームが好き、ゲームに理解がある人でないと難しいです。
まとめ
作曲家として食べていく方法を何となく知っていただけたでしょうか?
この他にも自分がアーティストとなり、曲を書く方法がありますが難易度的には最も高いです。
(もちろん成功したときの見返りも最大級です!)
ポイントをまとめると以下の2つになります。
- 音楽事務所、会社に所属する
- 実績をつくりフリーランスとして活動する
やはり事務所、会社に所属後にフリーランスになるケースが多いです。
何はともあれ、学歴ではなく実力が最も重要な世界です。
事務所、会社、フリー問わず自身を持って自分をアピールできるデモテープは常に用意しておきましょう!